IT法務との出会い

私は、16年間(株)リクルートでシステムエンジニアとして、さまざまなシステム開発に関わってまいりました。

うまくいった開発もありますが、それ以上に、うまくいかなかった開発もありました。どのような開発でも、大なり小なり問題を抱えていました。
その中で、企画や設計の部門に迷惑をかけたこともありました。そのとき、上流工程の大切さを再認識するとともに、紛争が起きた場合の取り決めの重要性を感じたのです。

その後セキュリティ担当となり、個人情報保護法にもとづく社内のガイドラインを作るなど、IT法務に関する仕事に多く携わるようになりました。それらの経験で気付いたことは、法務の人はITに詳しくないし、ITの人は法律に詳しくないということでした。

SEとしての経験を生かして

そこで、システムエンジニアとしての経験のある私が法律家になることによって「社会に貢献できるのではないか」「紛争を防げるのではないか」、また「紛争を解決する手助けができるのではないか」と考えたのです。
会社を辞め、法科大学院に入り、司法試験の勉強をして、今、弁護士として働いています。

リクルート時代は組織を通して社会に貢献する仕事でしたが、直接社会の役に立つ仕事がしたいと思ったのも、弁護士となった理由の一つです。

多く取り扱う分野

システムに関する紛争、システム開発に関する契約書のチェック、利用規約の修正、労働関連の社内規定の整備などが多いですね。また、新しい分野としては、インターネット上の名誉毀損の問題も扱っています。

情報システム開発は、完成形が見えづらく、ユーザーとベンダーとの間で、どこまでできれば完成なのかについて、争いが起こりやすい傾向にあります。また、納期の遅延について、ユーザーとベンダーのどちらの責任かが争われる場合もあります。新たな作業が発生したときに、それが追加仕様なのか、バグなのかも争いになりがちです。
他にもさまざまに紛争の種がありますが、これらの紛争を防ぐには、あらかじめ契約書をしっかりと作り、要件定義を明確にするのはもちろんですが、日々の議事録や、追加仕様と思われる作業について、お互いの認識を確認し合うことが重要となります。

契約書については、ひな形を持っている企業は多いのですが、自分の企業に不利である条項が入っていると気づかずに、それをひな形として使い回しているケースが多々あります。一度、弁護士に契約書を見てもらうことをおすすめします。
システム開発に関連する企業であっても、仕事はさまざまですから、抱えるリスクも自ずと異なります。したがって、契約書で気をつけるべきポイントも、企業ごとに異なるのは当然です。知らないうちに、取らなくても良いリスクを取ることは避けなければなりません。

利用規約については、提供するサービスによって、関連する法律は多岐にわたります。法改正の影響も受けやすいので、気を配る必要があります。
また、民法改正も影響しますので、民法改正の施行に合わせて、一度見直してはいかがでしょうか。

インターネット上の名誉毀損は、その書き込みの内容によって、削除できるかどうかの難易度は大きく異なります。また、プロバイダーのログが3ヵ月で消えてしまうこともあるので、書き込みを削除するだけでなく、相手を突き止めて損害賠償をしたい場合は、早い対応が必要となります。
気になったらすぐにご相談ください。

経歴

第一東京弁護士会
1990年3月 東北大学経済学部 卒業
1990年4月 株式会社リクルート 入社
2006年3月 株式会社リクルート 退社
2010年3月 一橋大学法科大学院 修了
2013年 弁護士登録

資格

セキュリティアドミニストレータ

人となり